出産の不安に寄り添う温かい病棟づくりに「医師×経験者」の視点／済生会茨木病院

出産という大きなライフイベントには、どうしても不安な気持ちが伴います。ましてコロナ禍で心配ごとは増えるばかり。そんな不安や心配を解消する済生会茨木病院の取り組みについて伺いました。

Profile 産婦人科　部長　関島龍治先生
祖父の代から3代続いて産婦人科医。自身のお子さんも済生会で自ら取り上げた。「父の背中を見て産婦人科医を志しました」。

　関島先生：済生会茨木病院は、幅広い診療科目を備えた地域の総合病院です。産婦人科以外にも、内科・外科・小児科などの診療体制が整っていますから、妊娠中や産後の体調に不安を感じる方や、持病がある方も安心して受診できます。
「お腹の子どもは元気ですか？」といった相談をされる妊婦さんは非常に多くいらっしゃいます。無事に生まれることが何より大切なので、些細な不安だと感じても気軽に相談してください。

昨今、新型コロナウイルスへの不安を訴える方も大勢います。ご希望に応じて、妊婦さんやパートナーさんはワクチンの接種が可能です。また、出産を控えた妊婦さんのために定期的なPCR検査も実施しており、感染への不安を少しでも抑えて出産に臨めるようにサポートしています。

関島先生：済生会茨木病院では、出産後の妊婦さんには個室をご用意しており、母子同室で過ごしていただきます。（※個室が満室の場合は2人部屋になります。）生後間もないころから同じ空間で過ごすことは、愛着形成など母子ともに大きなメリットがあります。
　船内先生：赤ちゃんにとって、お腹の中で感じていたお母さんの声や匂いを直接感じられ、安心につながります。お母さんにとっても相部屋でカーテン越しに授乳するストレスがありませんし、赤ちゃんが泣いてもすぐに抱っこできる環境です。
とはいえ、産後の体調は不安定なものです。身体が元の状態に戻っていない中、24時間赤ちゃんの授乳やお世話で寝不足になり、つらいこともあります。そんなときは助産師たちスタッフが預かることもできますので、遠慮なくおっしゃってください。母子の体調を最優先に考え、柔軟に対応します。

Profile 産婦人科　副部長　船内祐樹先生
同じく祖父の代から産婦人科医で、二人目のお子さんを済生会で自ら取り上げた。「産婦人科は『おめでとう』と言える数少ない科で、だからこそやりがいを感じます」。

　惠さん：また、生後間もない赤ちゃんの姿を写真に残せる「ニューボーンフォト」も行っています。赤ちゃんのことが大好きで、可愛さを熟知している助産師や看護師たちが新生児期ならではの瞬間を残します。
赤ちゃんの体温が下がらないように配慮したり、無理な体勢にならないよう気を付けています。病棟の中で撮影できるからこその安心感があります。

　惠さん：産婦人科医は3名体制で、関島先生と船内先生はここ済生会病院で自身のお子さんを取り上げた経験があります。齊藤先生も子育て中なので、当院産婦人科医は3名ともイクメンドクターです。
　船内先生：医師として理解していたつもりだったお産の辛さや大変さを、改めて実感できました。そんな経験談も織り交ぜて、妊婦さんたちへ言葉を掛けるように心がけています。
　関島先生：より親身に「大丈夫ですよ」や「無理しないでくださいね」と妊婦さんたちに言えるようになりました。また、共に働いている助産師や看護師の頼もしさを再認識した経験でもありました。
済生会茨木病院では、妊婦さんやご家族の立場に寄り添った診察を心がけ、温かい病棟づくりを大切にしています。妊娠期から出産後まで、ご家族にとって一生の思い出となるようにお手伝いさせてください。