結婚・子育て・相続まで　女性の人生をトータルサポート

「女性の経済的自立を支援したい」と、30代以上の女性に向けたセミナーを精力的に行うファイナンシャルプランナーの川田有美さん。資産形成や相続の相談などを通じて、“目の前の問題解決”だけで終わることなく、その人が本当に送りたい人生を応援し寄り添う姿勢は、幅広い世代の女性の支持を得ている。

　川田さんは大学卒業後、人材派遣会社の営業として活躍。「数字を追うのが好きだった」といい「保険の営業が向いているのでは？」という先輩の助言で、生命保険会社へ転職。やりがいを感じながらも、次第に「お客様は保険料を知っていても、金融商品の内容はよく理解していない。これでは目先の問題解決に向けたニーズしかくみ取れない」と思うように。30歳で独立を決意し、まずは自身が住む地域で女性のためのセミナーを始めた。現在は、個人開催と並行して大手企業や百貨店などからもセミナー依頼を受けるまでになり、多忙な日々を送っている。

お金の話から始まり「結婚したい」「転職したい」などの悩みが判明し、実際に人や仕事先を紹介したことも。

年間約250世帯の相談を受け、お金や相続の基本情報や、考え方や気の持ち方など心理的な面をサポート。

活躍の場を広げるにつれて相談内容も多様化し、現在は相続に関する相談にも力を入れている。相続について「まだ目には見えない“これから起こり得ること”を対象にする難しい問題です。関わる家族も多くなり『どれだけ人の気持ちに寄り添うか』が大事になってきます」と話す川田さん。「事が起きてから、問題について調べず、とりあえず弁護士や司法書士に頼んでしまうケースが多い。相続について事前に知っておくだけで、できる対策はたくさんあります」と、“知る”ことの大切さを伝えている。

千里ライフサイエンスセンターで定期的に開催されている「生活向上セミナー」にも度々、登壇している川田さん。30～50代の女性を対象に、自身の資産形成や親の相続の話などを行う予定。「きっかけは保険の話でも、相談される方の問題の本質はそこではない場合があります。話を聞いて終わるのではなく、その方の今後の行動が変わるようなサポートをしたいですね」と話す。母として子育ての真っ最中でもある川田さんが大事にしていることは「子どもに恥じない仕事をしているかどうか」。信頼のおける心強いファイナンシャルプランナーは、お金を通じた人生の在り方を教えてくれそうだ。