以前は兵庫県某市の委託を受けて、資源ゴミ回収の仕事をしていたという異色の経歴を持つ信本さん。自身が相続トラブルで悩まされたことをきっかけに0から法律の勉強を始め、行政書士の資格を取得した。「お互いが意見を主張して譲らなければ、最後には裁判所を介した手続きになります。解決しても遺恨は残ってしまうでしょう。そうなる前に“予防”をしてほしいのです」。例えば、相続なら遺産の分け方について、離婚なら財産分与や養育費についてなど話し合って取り決めた約束事を、口約束ではなく「公正証書」として記しておくことで、約束事が真実であることを証明でき、時には強制執行力も持つ。「公正証書はトラブルへの備え。これがあることで、お互いが約束を守ろうという気持ちにもなります」

目指すゴールにたどり着くには、税務申告や登記など、行政書士とは別の専門家の力が必要な手続きが必要となることもある。そこで信本さんは、初回にゴールまでの道筋を検討し示している。手順を聞いて、自分で手続きに挑戦する人もいるという。「法律上、ご自身でできない手続きはありません。できなかった時のために様々な資格者がいるので、まずはご自身で挑戦するのも一つ。難しくて途中で止まってしまったら、またご相談ください」。必要に応じて、税理士や司法書士など他の専門家の予約を取って案内してくれることも。相談者自身が納得のいく形で解決に進むことを何よりも大切に考え、とことん向き合ってくれる。「これは未来の安心のための準備。解決策を一緒に探しましょう」